衣替えの時期になりました。温暖化や生活様式の変化により、昨今では暑い日の続く5月中旬頃から単衣を着られる方もいらっしゃいますが、正式には6月1日から単衣仕立ての着物、帯は夏帯に替わります。着物を着た後は、すぐにたたまないで衣紋掛けに掛けて、半日ほど陰干しをしましょう。帯も同様に湿気を取り、シワを伸ばしておきましょう。その間に汚れのをチェックをして、早めに手入れをしておくと良いと思います。汚れが落ち難いものは専門業者にお願いする事をお奨めします。袷の着物は10月まで着る事がありませんので、天気が良い日に風通しの良い場所を選んで「虫干し」をすると良いでしょう。着物の保管は、湿気を防ぐ事が一番大切です。
新緑の美しい季節になりましたね。着物で外出するには最適の時期です。最近、和装の結婚式で、新郎新婦のお父様の和服姿をよくお見かけします。男性の第一礼装は、未婚、既婚を問わず、黒羽二重で五つ紋のついた黒地の長着(白羽二重の重ね衿)と、羽織、袴です。袴には、『あんどん仕立て』と『馬乗り』がありますが、礼装には、仙台平で股下が二つに割れていない筒状の『あんどん仕立て』がふさわしいでしょう。羽織紐は、白丸打ち組みの太いものを、足袋は白、草履は畳表のものを用い、そして手には白扇子を持ちます。また、ご新郎様の場合は、紋服、袴ともに花嫁様に合わせて黒以外の色物を着装しておられる方がよくいらっしゃいます。男性の紋服、袴は、吉凶どちらにも着ることが出来ますのでとても便利です。男性の着物姿は凛々しくて良いものですね。
先日、海外からの観光客の方々を対象にした「日本文化講座」で、着物の着付けと、講義を致しました。外国人の方々の着物への関心はとても高く、今回は「来日前にニューヨークで買って来ました。」と、着物と帯を持って来られた方や、羽織をジャケット代わりに着て来られた方もいらっしゃいました。持参された着物を着るなり、感動で目を潤ませておられました。 また、年齢に関係なく振袖を着てはしゃいだり、紋服を着て楽しまれる方など、皆さんの喜び方は十人十色でした。着物の講義では、生地の素材や織りに要する期間、着物を着る機会や日本での価格など、多くの質問がございました。中には、「なぜ日本人は、こんなに素晴らしい着物を着なくなったのですか?」とたずねられる方もいらっしゃいました。私は英語が話せませんので、いつもこの講座には通訳の方をお呼びしています。私自身に英語力があれば、より深く着物の良さを伝えたり、皆様の感動をさらに理解出来たりするのではないか?と少し悔しい思いもありましたが、世界に誇れる「着物」という素晴らしい日本の文化を改めて感じ、大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。
春になり、入園、入学で華やかに着飾った着物姿の方を街でよく見かけるようになり、心が和みます。自分で着物を着ようと、この時期に備えて着付けのお稽古に行かれていた方もおられるのではないでしょうか。先日、入学式の当日に、「早朝から着物を着始めたけれど、1時間かかってもどうしても出来なくて。」と、あわてて当方に電話がありました。入園、入学シーズンの出張着付けはかなり混雑しているので、当日予約は無理な場合が多いのですが、今回は何とか都合がつきました。お稽古に通って着れるようになったから、と当日にいきなり着るのではなく、前日までにおさらいをされることをお勧めします。最近は、ブライダルも和装ブームで、洋装で挙式をされた後でも、着物へのお色直しをされる方が増えています。これからの季節は、着物姿で大いに楽しんでみてはいかがでしょうか?
先日、某テレビ局の仕事で京友禅作家様の作品の着付けを致しました。下絵から色付けまでの工程を全て一人でされておられます。仕立て上がった着物に描かれた桜絵は、その桜花の美しさが、見る者の心の中に入り込んでくる様で大変感動致しました。この素晴らしい体験に感謝しております。